IT/Webエンジニアという仕事に興味を持つと、「Webエンジニアの年収はどのくらいだろう?」と気になる方は多いと思います。
この記事では、Web系エンジニアの平均年収はもちろん、年齢・分野・企業毎の年収の違いについても詳しく解説します。
また、僕の実際の給与明細を公開しながら エンジニア1〜4年目までの年収推移、エンジニアとして年収を上げる方法や、高収入エンジニアに求められるスキルについても紹介します。
これからIT業界を目指す方や、年収アップを考えている現役エンジニアの方はぜひ参考にしてください!
Web系エンジニアの平均年収

エンジニア転職サービス「Findy」による2024年の調査結果を元に、Web系エンジニアの平均年収を解説していきます!
なお、今回解説する内容は、Web系自社開発企業のエンジニアを中心としたデータ になるため、エンジニア全体の傾向とは異なる場合があります。その点を踏まえてご覧ください。
※Findyでは主に自社開発のWeb企業に属するエンジニアの方が多いため、エンジニア全体と傾向が異なる場合がございます。あらかじめご了承ください。
引用: Findy | IT/Webエンジニアの平均年収を調査!年齢・言語・職種別のデータも公開!
全体の平均年収
IT/Webエンジニアの全体の平均年収は676.4万円でした。
また、中央値は600万〜650万円 となっており、多くのエンジニアがこの水準の年収を得ていることが分かります。
引用: Findy | IT/Webエンジニアの平均年収を調査!年齢・言語・職種別のデータも公開!
国税庁の「令和5年分民間給与実態統計調査」によると、日本の平均年収は 460万円 なので、IT/Webエンジニアの年収は日本の平均よりおよそ200万円高い計算になります。
これは、近年のIT人材の需要の高まりと人手不足の影響で、企業が高い報酬を出してでも優秀なエンジニアを確保しようとしているためと考えられます。
年代別の平均年収
IT/Webエンジニアの 年代別の平均年収 は以下の通りでした。
引用: Findy | IT/Webエンジニアの平均年収を調査!年齢・言語・職種別のデータも公開!
年代 平均年収 20代 504.8万円 30代 682.4万円 40代以上 793.6万円
年齢とスキルが必ずしも比例するわけではないものの、年代が一つ上がるごとに100万円以上の差 があることを考えると、やはりスキルや経験の蓄積に伴い年収が上がる傾向があることがわかります。
また、30代と40代以上を比較すると、上昇幅は約110万円と、20代から30代の+180万円と比べて伸びが緩やかになっています。
これは、技術力だけでなくマネジメントスキルやキャリア戦略がより重要になる年代 だからかもしれません。
分野別の平均年収
Findy会員のみ閲覧できるレポートによると、エンジニアの分野ごとで年収に違いがあることが分かっています。
年収が低い順に並べると、
「フロントエンド < モバイルエンジニア < バックエンド < インフラエンジニア」 の順でした。
これは、システム全体の安定性やパフォーマンスを担う分野ほど高い専門性が求められ、年収も高くなる傾向 があるためだと考えられます。

特にインフラエンジニアは、クラウドやセキュリティの知識が必要であり、企業側も高い報酬を用意することが多いようです。
企業別の平均年収
エンジニアの年収はスキルや経験によって決まる部分もありますが、「どの企業に所属しているか」も大きく影響します。
以下の表からも分かるように、企業ごとに年収の水準には大きな差 があります。
参考:
会社名 年収中央値 サイバーエージェント 620万円 ~ 660万円 楽天 720万円 ~ 780万円 DeNA 800万円 メルカリ 1100万円 indeed 1850万円 ~ 2000万円 2200万円
https://project-comp.com/
https://opensalary.jp/companies
日本国内の有名企業でも 600万〜1,100万円程度 の幅がありますが、外資系企業(GoogleやIndeedなど)は1,800万円以上 と、国内企業と比べて圧倒的に高い年収水準になっています。
年収の違いについては様々な要因が考えられますが、実は 同じスキルセットを持っていても、企業を変えるだけで年収が数百万単位で変わる ケースも珍しくありません。
年収を上げたい場合、スキルアップだけでなく「どの企業で働くか」を意識するのも重要なポイントです。
【給与明細公開】Webエンジニア1~4年目の年収推移

Webエンジニアに転職して丸4年経過した僕の、これまでの年収推移を 実際の給与明細とともに公開します!
現役エンジニアのリアルな年収を知りたい方にとっては、特に参考になると思います。
1年目

年齢 | 業務内容 | 年収 |
---|---|---|
27歳 ~ 28歳 | Ruby on Rails アプリケーションの保守、運用、機能追加 | 330万円 (27万5千円 / 月) |
エンジニア1年目の年収は330万円でした。
勤務先はエンジニアが10人ほどの地方のスタートアップ自社開発企業です。
未経験なので当然高くはない給料ですが、30万円は期待を込めての上乗せ分だったこともあり、むしろ大感謝です!

人によっては、エンジニアに転職した直後は、前職より年収が下がる可能性があることを覚悟しておくとよいでしょう。
2年目

年齢 | 業務内容 | 年収 |
---|---|---|
28歳 ~ 29歳 | Ruby on Rails アプリケーションの開発 Go言語を使ったバックエンド開発 terraformを使ったインフラ構築 | 400万円 (33万3千円 / 月) |
エンジニア2年目の年収は400万円でした。
勤務先は1年目と同じです。
社内評価基準で「スタッフレベル」から「シニアレベル」にロールサイズを上げてもらえたため、+70万円と大きく年収がアップしました。
ロールサイズが上がった要因としては、1年目の途中から Ruby on Rails アプリケーションの開発に加え、Go言語を使った開発やTerraformを用いたインフラ構築 など、業務の幅が広がったことが挙げられます。
また、コードを書くだけではなく、新機能の仕様決め、設計、開発を関係者と連携しながら独力で進めていたこと も評価につながりました。
この頃から業務委託の仕事も受けていたため、実際の年収はもう少し多くなります。
3年目

年齢 | 業務内容 | 年収 |
---|---|---|
29歳 ~ 30歳 | Go言語でのバックエンド開発 | 550万円 (46万円 / 月) |
エンジニア3年目の年収は550万円でした。
勤務先は、エンジニアが100人ほど在籍する都内のスタートアップ自社開発企業です。
3年目の途中で転職を決断したため、スキルセット自体は大きく変わりませんでしたが、企業規模の拡大と地方から都内の企業への移動によって給与水準が上昇。
結果として、年収は+150万円と大幅にアップしました。
もともと倹約志向だったこともあり、この時期から金銭的にかなり余裕が生まれてきたことを覚えています!

ただ、転職前よりも社内のエンジニアのレベルが上がって、ついていくのに必死でした。
4年目

年齢 | 業務内容 | 年収 |
---|---|---|
30歳 ~ 31歳 | Go言語でのバックエンド開発 Typesctipt × Reactでのフロントエンド開発 | 600万円 (50万 / 月) |
エンジニア4年目の年収は600万円でした。
勤務先は、3年目に転職した企業と同じです。
転職後半年が経ったタイミングで、社内評価基準のロールサイズが一段階上がり、年収が+50万円アップしました。
ロールサイズが上がった要因としては、バックエンドが主な担当領域ながら、積極的にフロントエンドのタスクに取り組んだことや、新機能開発をメインで進めたこと が評価されたポイントです。
Webエンジニアとして年収を上げるには?

上流工程の仕事を担当する
Webエンジニアの仕事はコードを書くことですが、コードを書くだけのエンジニアは、価値が限定的になりがち です。
エンジニアの仕事で重要なのは、要件をシステムに落とし込むための仕様決めや設計の部分で、このプロセスを経て、はじめてコードを書くフェーズに入ります。
実際、僕自身も最初の会社で、社内システムの仕様決めや設計といった、上流工程の仕事を経験できたことで、転職時に高く評価されました!
システムの責任者やステークホルダーと円滑にコミュニケーションをとりながら、設計や技術選定を進められるエンジニアは、どの企業でも重宝されます。
結果として、単なる実装者ではなく開発全体をリードできるエンジニア になり、年収アップにもつながります。
給与水準の高い企業へ転職する
エンジニアの世界では、転職によって収入を上げていくのが一般的 になりつつあります。
企業ごとに評価基準が異なり、転職時には給与交渉のチャンスがあるためです。

実際に僕は、スキルセットがほとんど変わらないにもかかわらず、転職によって年収が400万円から550万円に一気にアップしました。
「1〜2年で退職するのは申し訳ない…」と思うかもしれませんが、エンジニアが転職を重ねる業界だということは、企業側も理解しています。
むしろ、自分の市場価値を適切に評価してもらえる環境を選ぶことが大切だと、個人的には思っています。
稼げる技術を習得する
エンジニアの年収は技術力次第で大きく変わります。
しかし、市場価値の低い技術を習得しても、大幅な年収アップは難しい のが現実です。
例えば、プログラミング言語の GoやRust は近年広く使われるようになっていますが、まだ扱えるエンジニアが少ないため、需要が高く、年収も上がりやすい傾向にあります。
ちなみに、Findy会員のみ閲覧できるレポートによると、2024年時点のプログラミング言語別の年収TOP3は「Go・Dart・Python」でした。
このように、習得コストや市場での需要によって、稼げる技術とそうでない技術が分かれてくる ため、市場価値の高い技術を意識してキャッチアップし続けることが重要です。
年収1000万円レベルのエンジニアに求められるスキル
年収1000万円は、多くの人にとって憧れの収入ではないでしょうか?
Web系エンジニアであれば、十分に狙える年収です。
ここでは、年収1000万円クラスのエンジニアに求められるスキル を紹介します。

これは、僕が実際に見てきた年収1000万円レベルのエンジニアに共通するスキルです!
ハイレベルな技術力
スキルの低いエンジニアは、定型化された開発タスクをこなすことが中心です。
ですが、高度なエンジニアになるほど、開発組織全体に良い影響を及ぼす取り組みや、高い専門性を活かした重要な意思決定 が期待されます。
具体的には、以下のような業務を担当します。
このような難易度の高い課題に取り組むことができるエンジニアは、市場価値が高く、結果的に高年収を得やすくなります。
ナレッジの還元
レベルの高いエンジニアほど、自分だけのスキル向上にとどまらず、チーム全体の成長を促す役割を担います。
特に、以下のような活動が求められます。
知識を還元することでチームの生産性が向上し、開発の質も高まります。
結果として、組織全体の技術力が底上げされるため、自身の知識や経験を積極的に共有できるエンジニアは高く評価されやすい です。
事業目線での開発
高年収のエンジニアは、指示された開発をこなすだけでなく、ビジネスへの貢献を意識して開発しています。
単なる「作業者」ではなく、プロダクトや事業の成長を促す視点 を持つことが重要です。
具体的には、以下のようなスキルが求められます。
開発とビジネスの両面を理解し、技術を通じて価値を生み出せるエンジニアは企業から高く評価され、年収アップにつながります。
年収が上がらないエンジニアの特徴

技術のキャッチアップを怠る
新しい技術やトレンドを学ばず、昔のやり方に固執するエンジニア は、年収が上がりづらい傾向にあります。
例えば、「クラウド技術が主流になっているのにオンプレミスにこだわる」「モダンな開発手法を避けて古い技術に固執する」などの行動は、結果的に非効率な技術選定につながり、評価されにくくなります。
技術の進化は速いため、学びを止めると市場価値が下がってしまうのです。
市場価値を意識しない
一つの会社に長く留まり続けること自体は悪いことではありません。
しかし、その会社の技術や評価基準に依存しすぎると、外部の市場価値と乖離してしまう恐れがあります。
エンジニアのスキルは、企業によって評価基準が異なります。
より資金が豊富な企業や、自分のスキルをより高く評価してくれる企業に転職することで、年収が大きく向上することも少なくありません。
そのため、市場のトレンドや給与相場を定期的に確認し、自身の価値を客観的に把握することが重要です!

前職の同僚の中には、市場調査を兼ねて定期的に他の企業とカジュアル面談を行っている人もいました!
自分の役割を広げようとしない
「自分の得意領域だけをやる」「責任が重い仕事を避ける」といった姿勢では、年収向上は難しくなります。
企業はチャレンジ精神があり、新しい役割に積極的に取り組める人材を高く評価します。
「何を始めればいいのか分からない」と感じている場合は、まず以下のような行動から始めてみましょう。
こうした取り組みを通じて徐々に自分の役割を広げ、役割が広がれば市場価値が高まり、それに伴って年収の向上も期待できるようになります!
まとめ
この記事では、Webエンジニアの平均年収や、僕の実際の年収推移、年収を上げるために必要なスキルについて詳しく解説しました。
もし、これからWebエンジニアを目指してみようと思った方は、未経験から転職までの具体的なステップをまとめた記事もありますので、ぜひ参考にしてみてください!