コロナウイルスの影響でリモートワークを導入する企業も増えたことから、時間と場所に縛られない「Web系エンジニア」という仕事に興味を持った方も多いのではないでしょうか?
この記事では、これからWeb系エンジニアを目指す方のために、転職までの具体的なステップや企業選びのポイント、注意点について詳しく解説します。ぜひ参考にしてください!
未経験からのWeb系エンジニアへの転職は可能?

結論、未経験からWeb系エンジニアになることは可能です!
実際に僕が、27歳の時に独学でプログラミングを学び、Web系エンジニアに転職することができました。
しかし、Web系エンジニアへの転職には大きなメリットがある一方で、学習方法や企業選びなど、注意すべきポイントもあります。
この記事では、それらをわかりやすく丁寧に解説していきます。
そもそも「Web系エンジニア」とは
「Web系エンジニア」とは、「ITエンジニア」の一種で、主にWebアプリケーションの設計、開発、運用に関わるエンジニアを指します。
一口に「Web系」といってもその範囲は広く多くの専門職が含まれるため、それぞれの分野を解説します。
フロントエンドエンジニア
フロントエンドエンジニアは、HTML, CSS というマークアップ言語や、JavaScript, TypeScript といったプログラミング言語を使用し、Webアプリケーションのユーザーが直接触れる「画面」や「操作部分」の開発を担当します。
具体的には以下のような業務があります。
バックエンドエンジニア
バックエンドエンジニアは、Ruby, Python, Go といったプログラミング言語を使用し、Webアプリケーションの「裏側(サーバーサイド)」の開発を担当します。ユーザーが入力したデータを受け取り、保存したり処理したりして、必要な情報をフロントエンドに返す役割です。
具体的には以下のような業務があります。
インフラエンジニア
インフラエンジニアは、Webアプリケーションを動かすための「土台作り」を担当します。たとえば、アプリが快適に動くためのサーバーやネットワークを整備します。
具体的には以下のような業務があります。
モバイルアプリエンジニア
モバイルアプリエンジニアは、Swift や Kotlin といったプログラミング言語を使用し、スマートフォンやタブレット向けのアプリ開発を担当します。iOSやAndroidの特性に応じたアプリを作るのが主な役割です。
具体的には以下のような業務があります。
Web系エンジニアになるメリット

ストレスフリーに働ける
Web系エンジニアの仕事は、基本的にPC一つあればどこでも仕事ができるため、働く場所や時間、服装、髪型などが自由です。
また、これは僕の個人的な感覚も含みますが、IT企業は年齢層が比較的若く、スタートアップ企業でも採用基準がしっかりしているため、合理的な考えを持つ社員が多い印象です。
そのため、上から目線で接したり、理不尽に怒ったりするような「モンスター社員」と出会うことはほとんどありません。
僕自身、朝の通勤や人間関係に悩んでいた工場勤務時代とは真逆の環境で、とても働きやすいと感じています。
学歴がなくてもそこそこ稼げる
Web系エンジニアの仕事は、比較的高収入で知られていますが、スキルさえあれば学歴はほとんど問われず、特別な資格も必要ありません。(未経験からの転職では学歴が少し見られる場合もあります)
実際、最終学歴が「高卒」の僕でも、エンジニア歴4年で正社員として年収600万円以上の給料を頂いてます。
また、エンジニア歴1年半で獲得した業務委託の案件では時給4000円という条件でした。
学歴がなくても転職しやすく、その後は自分のスキル次第で報酬をどんどん伸ばせるのが、Web系エンジニアの大きな魅力だと感じています。
仕事がゲーム感覚になる
自分で書いたプログラムが動いた時はなんとも言えない達成感があります。
例えるなら、数独のようなパズルやゲームの難しいレベルをクリアした時の感覚に似ていますね。
プログラミングは目的を達成するために、エラーを解決したり、技術調査をしたり地道な作業の連続です。
地道な作業も楽しめて達成感を得ることが好きな方は、僕と同じようにエンジニアの仕事がゲーム感覚で楽しめると思います。
Web系エンジニアに向いている人の特徴
オタク気質な人
興味のあることはとことん突き詰めてしまう、オタク気質な人はエンジニアに向いていると思います。
エンジニアの仕事は常に新しい技術や新しい課題に向き合う仕事なため、「なぜこう動くのか?」「もっと良い方法はないのか?」と探求する姿勢が大切です。
興味を持った分野を深く掘り下げる習慣がある人は、その探究心がエンジニアの仕事に活かせるはずです。

僕は、数年前にゴルフにハマり、YouTubeで上達のコツを調べたり試したり、さらに自分のスイングを動画で撮って分析することに夢中になっています!
パズルやゲームが好きな人

「Web系エンジニアになるメリット」でも書きましたが、プログラミングは自分で書いたコードが期待通り動いた時の達成感が、数独みたいなパズルやゲームの難しいレベルをクリアした時の感覚に似ています。
また、そういったパズルやゲームが好きな人は、クリアするために必要な「論理的思考力」「注意力」「推理力」「ひらめき力」などが自然と身についていることが多く、その結果、エンジニアに欠かせない「問題解決能力」が高いのではないかと思います。
パズルやゲームが好きな人は、楽しみながらエンジニアの仕事で高いパフォーマンスを発揮できるかもしれません。
ものづくりが好きな人
Web系エンジニアの仕事は、物質的なものを作るわけではありませんが、0から何かを生み出す「ものづくり」の一種です。
アプリケーション開発では、バグに直面して解決方法を探したり、新しい技術を学んだりと、地道で挑戦的な作業が続きます。
しかし、乗り越えた先には、自分が作ったアプリケーションが動いて誰かに使ってもらえるという達成感と喜びが待っています。
「ものづくり」が好きな方にとっては、このプロセスそのものが刺激的で楽しく、成長を実感できる仕事だと思います!
Web系エンジニアを目指すならどんな企業がおすすめ?

Web系エンジニアを目指す際、どの企業に就職するかは非常に重要です!
ここでは代表的な三つの企業タイプの特徴を解説しますが、結論として、未経験の方には「スタートアップの自社開発企業」への転職をおすすめします。
「自社開発企業」は働き方の自由度が高く、入社前から経験できる技術や開発内容をある程度把握できるため、入社後のミスマッチが少ないのが魅力です。
さらに、スタートアップ企業ではエンジニアの数が少数精鋭であることが多く、一人ひとりの裁量が大きいのが特徴です。
そのため、アプリケーション開発の幅広い経験を積むチャンスが多い環境といえます。
自社開発企業
「自社開発企業」は、自社のサービスやプロダクトを開発・運用する企業です。
有名な企業だと「メルカリ」や「楽天」などが挙げられます。
企業によって文化や社風が様々で、自社のサービス全体を深く理解できたり、ユーザーとの距離が近くフィードバックを直接受けられるのが特徴です。
受託開発企業
「受託開発企業」は、クライアントから依頼されたWebサービスやシステムを開発する企業です。
有名な企業だと「NTTデータ」や「LIG」が挙げられます。
業種や規模が異なる様々なプロジェクトを経験できるのが特徴です。
SES企業
「SES(システムエンジニアリングサービス)企業」は自社で雇用しているエンジニアを顧客企業に派遣し、開発プロジェクトに配属する企業です。
有名な企業だと「富士ソフト」や「DTS」が挙げられます。
優良なSES企業も多く存在する一方で、未経験のエンジニアをベテランエンジニアと偽って顧客企業に派遣したり、エンジニアが開発経験を積めない現場に派遣するような企業が存在するのも事実です。
そのため、SES企業への就職は注意が必要です。
未経験からWeb系エンジニアに転職する具体的なステップ

ここでは、未経験からWeb系エンジニアに転職する具体的なステップを、僕が実際に取り組んだことベースで解説していきます。
全くの未経験からでもWeb系エンジニアとしてのキャリアをスタートするまでの道筋が具体的にイメージできるはずです!
1. PCを買う
まずは、何よりも先にPCを用意しましょう!
Windows と Mac で迷う方には、Mac をおすすめします。
理由は、Web系エンジニアの多くが Mac を使用していることと、技術記事やチュートリアルの中には Mac を前提に書かれているものが多く、トラブルが発生した際も解決策を見つけやすい傾向があります。
2. 分野を決める
Web系エンジニアの分野は大きく、「バックエンド」「フロントエンド」「インフラ」「モバイルアプリ」に分けられます。
進む分野によって学ぶべきプログラミング言語や必要な知識が異なるため、ある程度方向性を決めておくことで、効率的に学習を進められます。
例えば、バックエンドではRubyやPython、フロントエンドではJavaScriptやTypeScript、モバイルアプリではSwiftやKotlinといったように、求められるスキルが分野ごとに異なります。
3. プログラミング基礎を学ぶ
分野を決めたら、プログラミングに慣れてみましょう。
プログラミングスクールに通う選択肢もありますが、独学で進める場合のおすすめ教材としては、Progate や ドットインストール といったオンライン学習サービスがあります。
学ぶプログラミング言語は、バックエンドであれば Ruby や Python などのアプリケーションを効率的に開発できる「フレームワーク」が用意されている言語を選ぶことをおすすめします。
また、コンピューターサイエンスやネットワークの基礎知識も後々重要になりますが、まずは手を動かしたほうが、プログラミングの面白さを実感できてモチベーションが上がるはずです。
ちなみに、僕も独学でプログラミングを学びましたが、Progate には本当にお世話になりました。
(レベル的に、おそらく100時間ほどは Progate で学習したと思います。)

4. フレームワークの使い方を学ぶ
プログラミングの基礎を学んだだけでは、実際のアプリケーション開発のイメージが湧かないかもしれません。
(僕は全くイメージが湧かなかったです!)
そこで次のステップとして、「フレームワーク」の使い方を習得しましょう。
フレームワークとは、「アプリケーションやシステムを効率的に開発するための枠組み」のことです。
これを使いこなせるようになると、プログラミングの基礎知識を活かして、一つのアプリケーションを自分で作れるようになります。
学習方法としては Progate や ドットインストール などのオンライン学習サービスが便利ですが、Ruby on Rails のような広く使われているフレームワークであれば、YouTube でもわかりやすい動画講座が多数公開されています。
この動画では、掲示板アプリを作りながら Ruby on Rails の使い方を学べます。

Ruby on Rails の学習であれば、最新バージョンの内容は有料ですが、僕も活用した「Railsチュートリアル」という教材もおすすめです!
5. コンピューターサイエンスやネットワーク基礎などの周辺知識学ぶ
プログラミングは、コンピュータに指示を与えるための手段です。そのため、最低限コンピュータの仕組みや、Webで使用されるネットワーク技術について理解しておくことが大切です。
これらの基礎知識があると、コードを書くだけでなく、その背景にある動作原理を理解できるようになります。
以下に僕が活用した書籍をいくつかピックアップしておきます。
Webを支える技術
HTTP や HTML など、Webの基礎を技術的な視点で学べる良書です。
TCP/IPの絵本
ネットワークの基礎である TCP/IP の仕組みを、イラストでわかりやすく学べる本です。
キタミ式 イラストIT塾 基本情報技術者試験
コンピュータ、ネットワーク、セキュリティ、データベース など、ITの基礎知識をイラスト付きで学べます。
試験対策本なので、重要なポイントがまとまっています。
6. ポートフォリオを作成する
プログラミング言語とフレームワークの使い方、ネットワークの基礎知識を身につけたら、オリジナルのアプリケーションを作成してポートフォリオを作りましょう。
ポートフォリオとは、自分が学んだ技術を実践し、成果物として形に残したものです。
ちなみに、未経験からの転職ではポートフォリオの作成は必須です。
ポートフォリオを用意していなかったり、ポートフォリオの質が低いと、まず書類選考は通らないと思った方が良いでしょう。
7. 転職活動をする
ポートフォリオが完成したら、いよいよ転職活動を始めましょう。
未経験から自社開発企業へ転職するのはハードルが高いですが、質の高いポートフォリオを用意し、面接対策をしっかり行えば複数内定を得ることも十分可能です。
興味がある企業には積極的に応募して、面接に呼ばれた際は自分のポテンシャルをしっかりアピールしましょう!

僕が転職活動をしていたときは、約100社の応募に対して、一次面接に進めたのはわずか3社ほどでした。
それほど、未経験から自社開発企業へ転職するのはハードルが高いのです。
Web系エンジニアへの転職を成功させるコツ

未経験から自社開発企業への転職はハードルが高いですが、成功させるために特に押さえておきたいポイントを2つ紹介します。
良質なポートフォリオを作成する
未経験エンジニアがポテンシャルをアピールする最大の手段がポートフォリオです。
ポートフォリオの完成度によって書類選考の通過率は大きく変わるため、しっかりと作り込むことが重要です。
Web系エンジニアへの転職を目指す方は、以下の点を意識してみてください。
これらは、僕自身が転職時に評価されたポイントや、前職で採用担当として書類選考を通過させたポートフォリオの特徴です。
面接対策をしっかり行う
書類選考を通過しても、面接での受け答えがうまくいかないとエンジニア転職は難しいです。
エンジニア面接では似たような質問が多いため、事前に回答を準備しておくことが効果的です。
以下は、私自身の経験も含め、未経験からエンジニア転職を目指す際によく聞かれる質問の例です。
また、応募企業の事業やサービスについて聞かれることも多いため、企業調査も重要です。
もしアプリやサービスが実際に利用できる場合は、一度触れてみて、その感想を準備しておくと良いでしょう。
Web系エンジニアを目指す上での注意点

十分な学習時間を確保する必要がある
エンジニア転職に必要なスキルは、1日や2日で身につくものではありません。
最低限の実務レベルに達するためには、約1000時間の学習が必要だと言われています。
実際、僕も独学で1日3時間ほど学習を続け、ポートフォリオを完成させるまでに約9ヶ月を要しました。
プログラミングスクールに通うことで効率よく学習を進めることができるかもしれませんが、それでも転職までには早くても半年程度はかかります。
短期間で結果を求めるのではなく、少なくとも半年以上、継続的に学習時間を確保することが重要です。
最初から高収入で自由な働き方はできない
Web系エンジニアは働き方が自由で、比較的高収入な職業ですが、それはスキルが高く、市場価値があるエンジニアに限った話です。
僕の場合、転職してすぐは年収300万円で、最初の数ヶ月間は出社が必須でした。
しかし、1〜2年ほど良質な開発経験を積めれば、市場価値は一気に上がります。
最初は年収300万だった僕でも、エンジニア歴1年半の時に業務委託で時給4000円の案件を獲得し、3年目には年収550万円のフルリモート契約で転職することができました。
このように、スキルや経験を積むことで収入や働き方は大きく向上しますが、最初から理想的な働き方は難しいことが多いです。
ソフトスキルも求められる
Web系エンジニアとして企業で働く場合、基本的にはチーム開発が主となるため、他のメンバーとコミュニケーションを取る機会が非常に多いです。
以下は、実際の自分の1日のスケジュールです。

このように、プログラミングに集中できる時間だけではなく、進捗報告や定例ミーティング、システムの新機能や仕様に関する打ち合わせも日常的に行われています。
そのため、自分の考えを言語化して伝える力や、協調性といったソフトスキルが重要です。
「人と関わるのが苦手だからエンジニアを目指す」という方は、この点に注意が必要です。
Web系エンジニア転職でよくある質問
プログラミングスクールに通った方が良い?
経済的に余裕があり、本気でエンジニアを目指すなら、プログラミングスクールに通うべきだと思います。
僕自身は経済的な理由でスクールには通いませんでしたが、「躓いた時にすぐに質問できる人が周りにいなかった」のが、独学の大きな辛さでした。
プログラミング学習を続けていると、「環境構築がうまくいかない」「エラーの原因がわからない」など、様々な壁にぶつかり、その度に何度も挫折しそうになります。
プログラミングスクールに通うと、こういった問題に直面した際、すぐに「聞ける環境」が整っており、精神的にも安心感があります。
さらに、就職サポートを提供しているスクールも多く、応募書類の添削や面接練習など、一人では難しい面接対策もサポートしてもらえます。
プログラミングスクールなら RUNTEQ がおすすめ
おすすめのプログラミングスクールは?と聞かれたら僕は「RUNTEQ」をおすすめします。
RUNTEQの特徴は、元々開発会社だった「スタートアップテクノロジー」が運営していることもあり、実際の現場を意識したカリキュラムになっています。
こちらの動画ではカリキュラムの一部が解説されていますが、自分で調べる力を養える構成になっているほか、既存サービスの「バグ修正」や「機能追加」といった課題が用意されており、本当に実務に近い内容であることがわかります。
また、RUNTEQでは 転職活動に必要なポートフォリオを作成するカリキュラムもあるのですが、公開されている卒業生のポートフォリオのレベルがとても高いです!!

このように、RUNTEQに入学すれば、基礎をしっかり学べるだけでなく、実務に近い経験を積みながらレベルの高いポートフォリオを作成できるため、転職成功率が格段に上がると思います。

実際に、前職でRUNTEQ卒業生の面接を担当したことがありますが、他の応募者と比べてもポートフォリオのテーマに独自性があり、技術面でも技術的にも高いレベルに仕上がっていました。
(最終的に内定も出たほど、即戦力としての期待値が高かったです。)
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転職までにかかる期間は?
学習を始めてから転職にかかる期間は、だいたい半年〜1年が目安になると思います。
実務レベルに到達するための目安である「約1000時間」を、半年で達成しようとすると、1日平均6時間の学習が必要となります。
また、転職活動も並行して行わなければならないため、早い人でも半年程度、働きながら学習する場合は1年程度を見ておくと良いでしょう。

僕も働きながら独学で学習を進めたため、1日平均3時間ほどしか学習時間を確保できませんでした。
そのため、ポートフォリオを完成させるまでには約9ヶ月かかり、転職先の内定が出たのはプログラミング学習を始めて11ヶ月後でした。
初心者はどのプログラミング言語を学ぶのが良い?
フロントエンドエンジニアを目指すなら JavaScript / TypeScript。
バックエンドエンジニアを目指すなら Ruby。
をおすすめします。
どちらも学習コンテンツや技術記事も多いので比較的学習しやすいです。
また、どちらもアプリケーションを効率よく開発できる「フレームワーク」が用意されており、多くの自社開発企業で広く採用されている技術のため、求人数も多いです。
まとめ
この記事では、Web系エンジニアのメリットや未経験から転職を成功させるための具体的なステップ、注意点について解説しました。
少しでも「自分にもできるかも」と思っていただけたなら、それが一歩を踏み出すきっかけになるはずです。
Web系エンジニアへの転職を目指す皆さんの成功を心から応援しています!